チームの生産性とメンバーの考える余地
「個人としての生産性でなく、チームとして生産性を上げよう」ということはよく言われる。書籍でもよくそんなことは書いてある。
チームの生産性、というのだから「個人1+個人1=2」ではなく、「個人1×個人1<3とか4」とかが目指す姿。ここまでは概念的にはわかる。
では具体的にそれを実現するためにはどうすべきなのか?
1つは【適材適所】だろう。その人が最大限力を発揮する部分に集中してもらい、それを全体として補完しあい1以上を目指す。
もう1つはと考えてみると【メンバーに考えてもらい、チームとして意見をぶつけあい洗練させていく】という視点があるのではないか。
例えばプロジェクト開始時にリーダーが進め方や提案内容を一方的にメンバーに語っても、フムフムとメンバーは理解はするが生産性高まるかといえばその効果は薄い。
それよりも
「このPJ/このフェーズ/タスクで難しいと思うことを3つ考えてきてもらう」
「自分のタスクで発生しうるリスク・もやっとを3つ以上考えてきてもらう」
ことをメンバーにやってもらうことで、認識合わせがより進むだけでなく、様々な観点からリスクや課題感が織り込まれていく。
リーダーはあくまでアジェンダと情報を提示して、考えてもらう舞台を作る役に徹する。
こうすることで、プロジェクトそのものの品質そのものを高めるのと同時に本人の腹落ち感・自責感が生まれ、生産性が高まるのではないか。
過去をふりかえってみると、メンバーに考えてもらう場の提供という視点は弱かった。
どちらかというと「これこれこうやって」と考える余地を奪って、段取りつけてやってもらうことが多かった。
完全なるトップダウン、スーパーマンがプロジェクトを回す形式。
顧客や別ベンダーと一緒に仕事する上ではそれでも回っていたが、チームが大きくなったり、より難易度の高いプロジェクトとなるとそのやり方だととたんにオーバフローになってしまう。
WBSも「こっちで考えたから。このとおりやって。」よりも、「大枠考えたけど詳細作ってよ」とか、「ざっくりこんな感じと思ってるけど試しに少しやっていけそうか見なおして」とボールを渡す。
自分が中身考えるのは50%にとどめておく。
残り50%はどう考えてもらうかを考える。
こういう姿勢でいることが結果的にチームの生産性を高めることにつながるのではないだろうか?