コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

【本】プロセスエコノミー

マーケティング4.0で言われるような経験価値を志向しようというもの。クオリティでの差別化は強者が1つなので、別軸でしょうぶすべし、自分の経験から他人の共感を得て、個の熱狂を集団の熱狂にすべし、ととく。その中でいきなり100%はてきないため、途中で…

「文字打ちを皆が見る場」を避ける2つのコツと7つのチェック項目

ファシリテーターの役割は議論を活発化し、意思決定などをスムーズにし、打ち合わせなどを効果的な場に導くことにある。 ただ、打ち合わせ中にこんな状況になることはないだろうか。議論してある程度の結論を導いたあと。画面に映し出された資料に、パチパチ…

過去のコミュニケの失敗とRespect

若かりし、私がチームリーダーをやっと担えるようになったとき。他人のことがわかってないが故に起きた、苦い経験をお話しよう。 ある人事部と一緒のプロジェクトを行っていたとき、新卒、ピッカピカのメンバーがチームメンバーとして入ってきた。 「新卒」…

わからない文書になるのはなぜか、あるいは型の大切さ

①プロジェクトのメンバーや部下がレポートを作成してきた際にこんな記述で困ったことはないだろうか。 顧客に対して提案に行って、その結果のレポート。「顧客から懸念があったため再提案となった」→どこに懸念があがったのか?価格か?提案内容か?体制か?…

議論の準備の5つの型、あるいはコンサル能力問われる場面

顧客との打ち合わせに臨むにあたり、「さて、どこまで討議資料として準備しようか」と迷ったことはないだろうか。特にコンサルティングの現場だといろいろなケースがある。・顧客が「答え」や「まとめ」を求めており、「こうじゃないですか」を出すのがよい…

「我々」という言葉が持つ力と心理的安全性

コンサルタントというのは、クライアントの力を借りないと、何もできない仕事だ。コンサルタントから提案したり推奨案を提示しても、クライアントが納得しなければ無駄になる。いろいろ戦略や業務案をつくっても、クライアントが実行に移してもらえなければ…

システム移行は大変?ピンとこないことがプロジェクト最大のリスク

システム構築プロジェクトに費やす工数として、実に3割をも占めるタスクをご存知だろうか。当然システム設計や開発タスクではない。 それは「移行」だ。 「そうそう」と納得した方は過去に痛い目にあった方だろう。「そうなの?」と疑問に思った方は要注意だ…

「失敗の本質」とサンセットの必要性

私が勤めているケンブリッジでは、プロジェクトが終わった後やフェーズの境目(要求定義、設計、など)に、活動を振り返るサンセットという場を設けている。プロジェクトのメンバーが全員集まり(当然パートナーも)、活動のよかったところと改善点を振り返る。…

弱虫ペダルとコンサルタントの第一線

お盆休みなので少し緩いネタを投稿しようと思う。 それがアニメから得るコンサルタントの価値観だ。 弱虫ペダルは私の好きなアニメ10本に入る作品であり、とても熱く感動にあふれた作品だ。 概要を簡単に述べると、総北高校自転車部という高校生のロードレー…

書籍「システムを作らせる技術」に込めた実体験からの思い

先日7/22に、3年(もしくはそれ以上?)期間をかけた、「システムを作らせる技術」がやった書店に並んだ。嬉しいことに発売からすでに重版が決まったそうで、読んでいただいている方がいるのはとても嬉しい。 今回この本を書いたのは過去の苦い体験がある。…

「どうですか」コンサルタントに価値はない、あるいは「Where」と迷いの重要性

事前に資料をつくりこみ、それをレビューや承認をもらう場で、なぜか発言がでずにシーンとなる。もしくはお茶を濁したような発言がされ、本来確認してもらいたかったことにフォーカスされずに終わってしまう。そんな経験ないだろうか? 「前回挙がった課題に…

コンセプトとは何か、あるいはシステム構築プロジェクトでの必要性

業務改革やシステム構築のプロジェクトで、我々はゴールとは別に「コンセプト」というものを策定する。そもそも「コンセプト」とは何か。プロジェクト以外でもたまに聞く言葉だが、横文字で、わかったようなわからないような感をもったことはないだろうか。 …

「タグ付け」「同意」「言い換え」で議論はグッとスムーズになる

「本日は10年後のビジネスを考えてみましょう」「将来として自社のビジネスチャンスがどこにあるか考えましょう」 このようにはじめに「今日何を議論したいのか」を明確に伝えたにも関わらず、実際の議論ではこうなることはないだろうか。 「今のお客さんは…

実行に移すための態勢づくりとチェンジマネジメントのいくつかのコツ

我々コンサルタントは主に課題解決のためにお客さんに呼ばれて支援させていただく。たが、所詮どこまでいっても「部外者」なので、実行に最後まで携われる機会は少ない。システムなどで構築まで一緒に、その後の安定稼働まで一緒に、ということはあれど、そ…

議論が盛り上がらない=レビューになっていないか、議論の場をつくる3つのテクニック

顧客内の現状分析が終わり、さぁプロジェクトとしての施策を出そうという段階。どこに課題がありそうかはなんとなくプロジェクト内で同じ視線で見えてきて、次の打ち合わせではとりうる策をみんなで考えることとなっている。 「こちらの施策案も作成して、し…

デリバリ後の「しまった」を防ぐ、開始前のベストケース・ワーストケース出し

プロジェクトをデリバリしている中で、「先に意識できておけばこんな事態にはなかったのに」とあとになって思うことはないだろうか?ちょっとしたステークホルダーへのケア不足で話がこじれて、本筋でない調整に時間を費やされたり。デキるんだけど他の人の…

イマイチなデリバリーと提案の関係、その2つの着目点

デリバリ中にこういう検討もしたい、こんな意見もでているからとりいれたい、というような話が溢れ、忙しくプロジェクトを進めていたが終わってみると「う~んイマイチ」なデリバリになったことはないだろうか。 例えば、ある業界に売り込むサービスを仕立て…

【本】取材執筆推敲、書く人の教科書★3

ライターに向けた本。いろいろ執筆上のポイントが得られる。本の価値は情報の希少性・課題の鏡面性・構造の頑強性、主張・理由・事実の構成が論理的な基本構造、 課題共有の欠如が話をつまらなくする、論理的リズムを生むのはbut・becauseの接続詞、自分の言…

【本】よきリーダーは哲学に学ぶ★2

アリストテレス:主体的に判断し自らの行動を選択せよ、ニーチェ:人生は芸術作品とみなす、ボッブズ:権限は貸し与えられたもの、カント:他者にして欲しい原則は自分にも適用すべし、など学ぶ言葉多い。ただ戦略やエンパワメントと哲学を結びつける中、前者ベ…

オピニオンの具体例と5つの示唆

以前、この記事で「自分のオピニオン(仮説・意見)をもつべし」ということを書いた。オピニオンを考える難しさと4つの軸 - コンサルタントの日々学び (hatenablog.com)ここではオピニオンを考える要素・考え方を書いたが、「どんなのがオピニオンなのか」「…

【本】No Rules世界一自由な会社ネットフリックス★4

ルールを設けずパフォーマンスを発揮させるネットフリックスのカルチャーを明かす。コントロールを廃止しコンテキスト・条件を伝える、それを成り立たせるため能力密度を徹底的に高める。この能力密度を高めるのが普通の企業には難しい。有能な人材だけ集め…

【本】夜と霧★4

心理学者が強制収容所に入った体験を綴ったもの。収容時は恩赦妄想で自分は免れるはずと考え、収容後は不感無覚となる様子が淡々と描かれる。無期限の暫定的存在という言葉が収容所を表す言葉として秀逸。作者はその中でも苦しみは犠牲としてこよなく深い意…

システム開発で溢れる課題と2つのリソース不足

システム刷新プロジェクトの開発フェーズでの一場面。「解決しないといけない課題があと700個も残っている」「課題はまだまだでてくるのに、週に10個も解決できていない」「残りの期間は2ヶ月…どうしよう」 プロジェクトに関わったことがある人ならあるある…

オーナーシップの履き違えと事前に確認すべき3つの事項

「このプロジェクトではあなたにこの仕事を任せるね、オーナーシップ持って進めてほしい。」そうやってタスクを任されたものの自分でやり切ろうとして品質が満たない。誰かに依頼をかけたがその誰かがやってくれずに期限に間に合わない。こんなことはないだ…

オピニオンを考える難しさと4つの軸

こんな経験ないだろうか。コンサルタント、PMOとして動いているが、やっていることは情報共有にとどまり、皆と同じ議論の土俵に立てていない。自分のオピニオン(仮説・意見)がないためそれ以上踏み込めない。 ここで言っている情報共有とオピニオンをもう…

【本】ブルシットジョブ

「本人さえその存在を正当化しがたいほど無意味・不必要な仕事」をブルシットジョブとして、どんな仕事・なぜ生じているかを分析。社会成り立たせる・トップを気持ちよくする・生きるカネを得るために生まれた仕事が、目的や利他につながらず耐え難く息苦し…

コンサルタントの3つの価値とオピニオン

コンサルタントとしてお客さんに提供できる価値は大きく3つある。①「高級派遣」として言われたものに対し質の高いモノをスピーディーにつくっていくこと②「問題解決人」として、何が問題かを整理して、何をすべきか提案すること③「パートナー」として、第3者…

自分の意見に確信がもてない症候群とピエロを演じる重要性

お客さんとの打ち合わせ、議論の中で、自分の答えの確信がもてず、迷いが生じ、言葉を発せない、ということはないだろうか。 私はジュニアコンサルのとき、自分がオーナーの打ち合わせでよくこういう事態に陥っていた。開発工程など自分の知見があるときはい…

ファシリテーターとして棒立ち回避のための5つのパターン

私がジュニアコンサルタント時代のとき、初の構想策定の参加時。ファシリテーターとして前に立っているはずが、ただただて棒立ちとなっていた。みんな議論しているのに、前に立っているのに固まっている。どこで口を挟むべきか、口を挟んだら議論の熱に水を…

【本】シンニホン★4

AIなど発展していく中で、人の価値や富の生産がどう変わるのか、その時日本はどう動くべきかを書く。最低賃金や生産性の低さ、研究開発へのリソース配分縮小など、散々たる日本の現状をファクトと述べた上で「応用と複雑なシステム構築フェーズでまだ浮き上…