コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

学び

業務もシステムも詳しい人がいる中でのPMOとしての価値の出しどころ

ソリューション・パートナーとシステム導入するプロジェクト。業務部門やIT部門として、PMもしくはPMOとして参画することになった際に「何をしたらいいの…?」と動き方に迷ったことはないだろうか?ITやシステム的な知識・経験はソリューション・パートナー…

本題に入れない話し方、それを解消する2つのテクニック

打ち合わせに際して、こんなリアクションを受けることはないだろうか。 例えば他社製品との比較表を提示して、どれを選択するか、という話をする際。いくつかの比較軸と必須事項の情報をひっさげて、それをコンコンと話したあとに「えーと、前はどういう方向…

「文字打ちを皆が見る場」を避ける2つのコツと7つのチェック項目

ファシリテーターの役割は議論を活発化し、意思決定などをスムーズにし、打ち合わせなどを効果的な場に導くことにある。 ただ、打ち合わせ中にこんな状況になることはないだろうか。議論してある程度の結論を導いたあと。画面に映し出された資料に、パチパチ…

過去のコミュニケの失敗とRespect

若かりし、私がチームリーダーをやっと担えるようになったとき。他人のことがわかってないが故に起きた、苦い経験をお話しよう。 ある人事部と一緒のプロジェクトを行っていたとき、新卒、ピッカピカのメンバーがチームメンバーとして入ってきた。 「新卒」…

わからない文書になるのはなぜか、あるいは型の大切さ

①プロジェクトのメンバーや部下がレポートを作成してきた際にこんな記述で困ったことはないだろうか。 顧客に対して提案に行って、その結果のレポート。「顧客から懸念があったため再提案となった」→どこに懸念があがったのか?価格か?提案内容か?体制か?…

議論の準備の5つの型、あるいはコンサル能力問われる場面

顧客との打ち合わせに臨むにあたり、「さて、どこまで討議資料として準備しようか」と迷ったことはないだろうか。特にコンサルティングの現場だといろいろなケースがある。・顧客が「答え」や「まとめ」を求めており、「こうじゃないですか」を出すのがよい…

「我々」という言葉が持つ力と心理的安全性

コンサルタントというのは、クライアントの力を借りないと、何もできない仕事だ。コンサルタントから提案したり推奨案を提示しても、クライアントが納得しなければ無駄になる。いろいろ戦略や業務案をつくっても、クライアントが実行に移してもらえなければ…

システム移行は大変?ピンとこないことがプロジェクト最大のリスク

システム構築プロジェクトに費やす工数として、実に3割をも占めるタスクをご存知だろうか。当然システム設計や開発タスクではない。 それは「移行」だ。 「そうそう」と納得した方は過去に痛い目にあった方だろう。「そうなの?」と疑問に思った方は要注意だ…

「失敗の本質」とサンセットの必要性

私が勤めているケンブリッジでは、プロジェクトが終わった後やフェーズの境目(要求定義、設計、など)に、活動を振り返るサンセットという場を設けている。プロジェクトのメンバーが全員集まり(当然パートナーも)、活動のよかったところと改善点を振り返る。…

弱虫ペダルとコンサルタントの第一線

お盆休みなので少し緩いネタを投稿しようと思う。 それがアニメから得るコンサルタントの価値観だ。 弱虫ペダルは私の好きなアニメ10本に入る作品であり、とても熱く感動にあふれた作品だ。 概要を簡単に述べると、総北高校自転車部という高校生のロードレー…

書籍「システムを作らせる技術」に込めた実体験からの思い

先日7/22に、3年(もしくはそれ以上?)期間をかけた、「システムを作らせる技術」がやった書店に並んだ。嬉しいことに発売からすでに重版が決まったそうで、読んでいただいている方がいるのはとても嬉しい。 今回この本を書いたのは過去の苦い体験がある。…

「どうですか」コンサルタントに価値はない、あるいは「Where」と迷いの重要性

事前に資料をつくりこみ、それをレビューや承認をもらう場で、なぜか発言がでずにシーンとなる。もしくはお茶を濁したような発言がされ、本来確認してもらいたかったことにフォーカスされずに終わってしまう。そんな経験ないだろうか? 「前回挙がった課題に…

コンセプトとは何か、あるいはシステム構築プロジェクトでの必要性

業務改革やシステム構築のプロジェクトで、我々はゴールとは別に「コンセプト」というものを策定する。そもそも「コンセプト」とは何か。プロジェクト以外でもたまに聞く言葉だが、横文字で、わかったようなわからないような感をもったことはないだろうか。 …

「タグ付け」「同意」「言い換え」で議論はグッとスムーズになる

「本日は10年後のビジネスを考えてみましょう」「将来として自社のビジネスチャンスがどこにあるか考えましょう」 このようにはじめに「今日何を議論したいのか」を明確に伝えたにも関わらず、実際の議論ではこうなることはないだろうか。 「今のお客さんは…

実行に移すための態勢づくりとチェンジマネジメントのいくつかのコツ

我々コンサルタントは主に課題解決のためにお客さんに呼ばれて支援させていただく。たが、所詮どこまでいっても「部外者」なので、実行に最後まで携われる機会は少ない。システムなどで構築まで一緒に、その後の安定稼働まで一緒に、ということはあれど、そ…

議論が盛り上がらない=レビューになっていないか、議論の場をつくる3つのテクニック

顧客内の現状分析が終わり、さぁプロジェクトとしての施策を出そうという段階。どこに課題がありそうかはなんとなくプロジェクト内で同じ視線で見えてきて、次の打ち合わせではとりうる策をみんなで考えることとなっている。 「こちらの施策案も作成して、し…

デリバリ後の「しまった」を防ぐ、開始前のベストケース・ワーストケース出し

プロジェクトをデリバリしている中で、「先に意識できておけばこんな事態にはなかったのに」とあとになって思うことはないだろうか?ちょっとしたステークホルダーへのケア不足で話がこじれて、本筋でない調整に時間を費やされたり。デキるんだけど他の人の…

イマイチなデリバリーと提案の関係、その2つの着目点

デリバリ中にこういう検討もしたい、こんな意見もでているからとりいれたい、というような話が溢れ、忙しくプロジェクトを進めていたが終わってみると「う~んイマイチ」なデリバリになったことはないだろうか。 例えば、ある業界に売り込むサービスを仕立て…

オピニオンの具体例と5つの示唆

以前、この記事で「自分のオピニオン(仮説・意見)をもつべし」ということを書いた。オピニオンを考える難しさと4つの軸 - コンサルタントの日々学び (hatenablog.com)ここではオピニオンを考える要素・考え方を書いたが、「どんなのがオピニオンなのか」「…

システム開発で溢れる課題と2つのリソース不足

システム刷新プロジェクトの開発フェーズでの一場面。「解決しないといけない課題があと700個も残っている」「課題はまだまだでてくるのに、週に10個も解決できていない」「残りの期間は2ヶ月…どうしよう」 プロジェクトに関わったことがある人ならあるある…

オーナーシップの履き違えと事前に確認すべき3つの事項

「このプロジェクトではあなたにこの仕事を任せるね、オーナーシップ持って進めてほしい。」そうやってタスクを任されたものの自分でやり切ろうとして品質が満たない。誰かに依頼をかけたがその誰かがやってくれずに期限に間に合わない。こんなことはないだ…

オピニオンを考える難しさと4つの軸

こんな経験ないだろうか。コンサルタント、PMOとして動いているが、やっていることは情報共有にとどまり、皆と同じ議論の土俵に立てていない。自分のオピニオン(仮説・意見)がないためそれ以上踏み込めない。 ここで言っている情報共有とオピニオンをもう…

コンサルタントの3つの価値とオピニオン

コンサルタントとしてお客さんに提供できる価値は大きく3つある。①「高級派遣」として言われたものに対し質の高いモノをスピーディーにつくっていくこと②「問題解決人」として、何が問題かを整理して、何をすべきか提案すること③「パートナー」として、第3者…

自分の意見に確信がもてない症候群とピエロを演じる重要性

お客さんとの打ち合わせ、議論の中で、自分の答えの確信がもてず、迷いが生じ、言葉を発せない、ということはないだろうか。 私はジュニアコンサルのとき、自分がオーナーの打ち合わせでよくこういう事態に陥っていた。開発工程など自分の知見があるときはい…

初の上流でのつまづきと目的思考矯正の難しさ

日々、残業するほど忙しい。 だけど、せっかく時間をかけた作成物はプロジェクトや会議で使われない。 それを挽回しようとまた時間をかけるが、またその労力が成果として実らない。 そんな悪循環に陥ったことはないだろうか? コンサルタントだと、構想策定…

日報を書く価値と自己成長への道

「日報を書くべし」と言われた経験は社会人なら誰でも一度はあるだろう。普段から日記を書く人ならさもしらず、普通の人なら小学校で宿題で日記を書いて以降、日々のことを記すなんてことやってない人が大半ではないだろうか。 「営業日報」「SE日報」などな…

ジュニアコンサルからの壁と7つのプロジェクトの役割

コンサルタントとして入社して、ジュニアを脱皮すると1つの成長の壁にあたる。 それまではPMやTLに言われたことをなんとかこなし、資料を作ったり、プレゼンしたりして価値を発揮していたのがいよいよ1コンサルタントとして見られるようになった段階で「君は…

他人事から自主的にするには、北風と「太陽」戦略

こんなことはないだろうか。お客さんやメンバーとプロジェクトなりのスケジュールを決めたけど、なかなかそれどおりにタスクを進めてもらえない、「いやいやこれはあなたのプロジェクト/タスクでしょう」と言ってもどこか他人事。PMやリーダーとしてはなか…

仮説の価値と使い方、レビュー会にならないために

「コンサルタントは仮説が重要だ」とはよく聞く話。顧客はなんらかの問題を抱えており、その解決を望んでいる。その解決に導くのに、現状調査してFactや悪さ具合を調べ、解決策を具体化するのに、仮説があることでずっとスムーズに進めることができる。 例え…

コンサルはサービス業、相手の立場で考える

コンサルティングはサービス業である。問題解決を生業としており、製品という目に見えるものを売っているわけではない。 サービス業は「サービスを提供する」ことが目的ではない。サービス業=顧客がどう受け取るかが一番の肝だと思っている。 例えばカフェ…