見える化とオーナーシップの勘違い
昔自分もできなかったし、コンサルに転職したり新卒で入ったりした人がなかなかできないものの1つに「現状の見える化」があると思う。
・今抱えているタスクは何か・当フェーズでやることがどんなことがどんな順番で必要か
・どんなドキュメントを全体/構成として作成しようとしているのか
・システムの本番切り替えタスクがどんな時間設定で進むのか
などなどが見えない。
個人の中にはなんとなくあるんだけれど、それを可視化することをせず自己完結している。
それまで学生なら勉強は個人としてやっていたし、開発者なら依頼者と受託者という関係に閉じていたりで、そんなケースがなかったから仕方ない面があるのだが、コンサルタントのデリバリー上は大きな欠点となりうる。
こういった可視化ができていないと、PMなりチームメンバーから助言を得たり、フォローを受けたりすることが難しくなるからだ。
現状抱えているタスクやスケジュールを可視化しレビューしてもらうことで・タスクの漏れ、繁忙の波の読みの甘さ、タスク重複度などスケジュールのまずさ・やらなくていいタスク、注力すべきことの漏れや詰めの甘さ・重要性の認識合わせなどがはじめてできる。
本番切り替えタスクのような具体的なものであれば・時間の余裕度やリスクを鑑みた時間・体制の設定や相談も可視化し、チームが見れるようにして初めてできる。
この可視化、なかなかやらない人に「やれ」と言ってもしないことが多い。
それは根底には「オーナーシップ」についての考え方が異なるからではないかと考えている。
「オーナーシップ=当事者意識・責任感」ではあるが、すべて自分で行い、解決することではない。
任された仕事・タスクを、「どんな手段を使ってでも」やりきることが真のオーナーシップである。
その「どんな手段」には上司なり、同僚なり、も含まれ、他の人も巻き込んででもデリバリーしきる。
その考えに基づけば、自分のタスクでも、スケジュールでも、考えでもいいがそれを見える化することが、誰かと相談したり協力を得ることの第一歩であり、オーナーシップを発揮することにつながる。
これを「全部自分でやらないとオーナーシップでない」と考え続けると、見える化せず、協力を得られず、リスクや課題を個人で抱え続け、個人だけでなくチーム、ひいてはプロジェクトも危機に陥れることになる。
これまでの勉強や仕事のやり方と根本を変える必要はあるのだが、これを乗り越えないと個人の力量以上のデリバリーはできないので要注意。
まずはオーナーシップについての考えを見直すことから始める必要がある。