コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

目的思考と「やるべきことは手短に」

前回の記事で、全体の地図がないとやらなくていいこともやることになり、やるべきことに注力できないリスクがあることを書いた。

コンサルタントは時間単価が高く、結果が求められる環境にあるため、プロジェクト、およびお客さんの価値があることに注力しなければならい。


「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」

これは私が信奉する折木奉太郎の言葉だが、コンサルティングワークも同様と考えている。

コンサルティングワークもやろうと思えばタスクは無限にある。ただそれが本当に必要なことなのか、目的を考えて判断する必要がある。

その最たるものが市場調査や事例調査などの調査系。これはよく若手なりコンサルなりたての人が陥りやすいし、自分も経験したことがある。

例えば、昔、ある企業の新サービス検討の仕事を請け負った際に、競合で実施されているサービスの調査をしたことがあるが、本来はあくまで「他社がどんなことをやっているか動向をしる」「自社がやろうとしていることと同様のことをやっていないかチェックする」ことが目的だった。

そのため主要数社をピックアップして調査すれば事足りたはずだが、調査することが目的になり数十社、10時間程度調べるのに時間をかけてしまった。

だが、結果、顧客に見せて検討に使われたのは、内容をざっと見る10分のみ。あまりに時間対効果の低い仕事をしてしまった。

そんなことに時間を割くのであれば、新サービスの事例調査なり実現スキームの仮設づくりなりもっと議論を先に進めることに時間を割く方がよっぽど価値があった。

こういったことには枚挙にいとまがない。

  • 議事録をものすごい時間をかけてきれいに作成する
  • 参考資料扱いの微細を丁寧に作り込む
  • 管理用資料のフォーマット/デザインを作り込む

などなど。

当然、上申やコンプライアンス上で時間はかかるが必要なこともある。

ただ、時間は有限なので、目的に沿っているのか、顧客の価値につながっているのか、まず意識し行動することが顧客の成長・プロジェクト成功の近道になる。