コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

キラキラコンサルと実態の調査のどろくささ

コンサルタントとして経営者と議論したい!」

入社希望者に志望動機を聞くとこういうキラキラしたコンサル像を聞くことがある。
豊富なデータから、示唆ある提言を出し、経営者と議論を戦わせる。
実際はそんな場面はごく一部であって、それよりももっと泥臭い場面がほとんどだ。

 

例えばこの「豊富なデータ」というもの。
コンサルティングファームなら社内にいろんなデータを持っていて、それを使えばいい?
過去に調査済みでそれがうまく使えればいいが、実際はそううまくはいかない。
調査項目や深堀りたいポイントが異なっていたり、調査対象層や業種が違っていたり。
データがなければコンサルタントが動いて集めるしかない。

 

保険の営業改革のプロジェクトがあったとしよう。
その場合に現状のファクトや課題に関する「データ」をどう集めるか。
ネットで検索して見つかるような情報だと価値が低い。そんなのは顧客でもできるからだ。
まずできることは社内の経験者やや知人を頼って、保険の営業にヒアリングをかける。
社内の奥さんが保険のセールスだったとか、知人・親戚が過去努めていたとか。
退職者が移住して保険業をやっていたので、わざわざ連絡しヒアリングしたこともある。
それから実際に現場に行く。
保険営業なら保険の窓口に顧客として行き、どんなトークをするのか、接客態度など生で感じる。
ダイレクトにその窓口担当者に課題に感じていることを聞くことも。
それも1つの店舗だけでなく、複数、場所を変え、こちらのニーズも変えて訪れる。
ちょっとやりすぎな例としては、インターン制度があったためそれに申し込み、内情を調査したツワモノもいる。
それ以外にも電話調査でどんなサービスがあるか、各社徹底的に電話しまくるということも。

 

こういったデータ収集・調査だけでも、コンサルタントは泥臭く動く必要がある。
ただ、ここまでやるからこそ顧客にささる、価値を感じてもらえる。
 「実際の店舗にいってセールス力を複数評価しました」
 「御社でマニュアルを用意しているようですが、利用していない実態が生の声で挙がっています」
 「社内アンケートでは問題視されてませんが、実態は最悪です」
経営者が普段耳にできない、目にできない情報を提供する。
ここまでやらないと経営者と議論を戦わせる土俵に乗れない。