PMの仕事は判断すること
「PMが何をする人か」を突き詰めて定義すると「判断する人」になる。
でてきた問題に対して解決方針の判断を下したり、今後何をすべきか計画に対する判断、品質レベルをどこにするのか、時間と成果のトレードオフを考え何をすてるかも判断、になる。
判断するだけだとPJは動かないし、判断するにもInputが必要である。
判断の前後には
①情報収集
②判断
③伝達
④アクション
というプロセスを経ることになる。
進捗管理を行いスケジュールが遅延している、気になることを関係者からリスクを洗い出した、品質チェックをしたところバグが多そうな部分が特定された、などが①の情報を集め分析することに当たる。
①をもとにスケジュールに対しては人を当てて対応したり優先度をつけスケジュールを見直す、リスクに対してどう対応するか決める、品質をどう担保するか・高めるか対策を決める、のが②の判断であり、それをPJ内に展開する計画であり、方針、ルール(仕組み)が③の伝達になる。
その伝達をもとに見直したスケジュールにそってタスクを進める、リスクへの対策を念頭にいれ行動する、品質対策への対処を行う、などの④のアクションをメンバーでありチームが進めていく。
PMは常に流動的で不定形なPJに対して、PJがゴールに向かって一直線に進むように判断に専念するのが一番よい。PJがあっちにいってこっちにいって、と進む方向がズレた際にPMはゴールに向かうよう必要な判断を下していく。
PMが①から③含めてできればよいが、PJの規模が大きくなるほど手が回らなくなる。
その際にPMOが、①にあたる情報を集めたり、PMが判断をくだせるよう情報整理したり(時には推奨案を提示したり)、判断くだした内容をPJ全体に伝播するため③を担うこととなる。PMは②判断に時間と知力を集中する。
PMが手を動かすとPJがうまくいかない理由の一番はここにあり、「判断」よりも優先すべきことはPJにはないからである。
自分がPMやTLである場合、今①~④のどこを担っているのか意識しないと一番重要な②がおざなりになってしまう。