コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

「以下の通り」メッセージのいい加減さ、あるいは1メッセージの3つのパターン

パワーポイントで資料を作成する際は1スライド1メッセージが基本原則だ。
このページで何を言いたいのか、何がしたいのかをメッセージとして書き、それを促す・補足する内容をボディに書く。
ただ、この原則を守れている人は以外に少ない。
 
例えば、こんな資料を見ることはないだろうか。
 「市場成長性を調査した結果は以下のとおりです。」
 「現在の最終利益の数字は以下になっています。」
 
「XXは以下のとおりです」ほど何も言っていないスライドはない。
以下の通りを見て何をしてほしいのかがわからない。
情報ならそこにどんな示唆があって、どう成果につなげるのかがないと情報は情報でしかない。
言い切りたくないという気持ちもわかる。
もしかしたらその示唆が違っているかもしれない。
もしかしたら考えていた内容が筋違いだったかもしれない。
ただ、それを明示して次に繋げなければせっかく作成した資料も無駄になってしまう。
 
では、この1メッセージをどうすればクリアに考えることができるだろうか?
議論の流れから、基本1メッセージはだいたいこの3つに集約されるだろう。
 ・こういう案を「合意したい」
 ・このどれかから「意思決定したい」
 ・示唆を得たのでInputとして「理解しておいてほしい」
先程の例だと
 「調査結果から、XX市場の成長の見込みは薄いことを理解してほしい」
 「最終利益は赤字となり、対策討議を行う必要があることを合意したい」
などなど。
これは「新製品のアイディアを選定する」というような個別議題についても同様だ。
例えば上記の議題について、以下のようにページを分け、メッセージをクリアにする。
 ①新製品のアイディアを絞り込むプロセスを「合意したい」
 ②まず各アイディアの市場性を調査したので、一次で落とすアイディアを「決定したい」
 ③技術的難易度と販売体制との相性から、二次で落とすアイディアを「決定したい」
 ④選定したアイディアに要する費用とリソースについて「理解しておいてほしい」
このように「ここで何がしたいのか」が明らかになることで、調査結果などボディが活きてくる。
むしろここに気をつけなければ資料をつくってもつくっても、何の前進もない徒労ばかりが募ることになる。
 
コンサルタント」と名乗り、顧客の変革を加速していく人を自負したいなら、示唆や決めたいことをクリアにしていこう。