コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

他人事から自主的にするには、北風と「太陽」戦略

こんなことはないだろうか。
お客さんやメンバーとプロジェクトなりのスケジュールを決めたけど、
なかなかそれどおりにタスクを進めてもらえない、
「いやいやこれはあなたのプロジェクト/タスクでしょう」と言っても
どこか他人事。
PMやリーダーとしてはなかなかにつらい状況だ。

 

これが
「自分が決めたことだからやりきる!」
「これは俺のタスクだ、自分で進める」
と主体性持って進めてもらえるようになればこんなにうれしいことはない。

では、そう持っていくためにどんな手段が考えられるだろう?
言葉を尽くして説明する?

 

強制的にやらせる?
わかるまで厳しくコンコンと詰める?

そんな手段がうまくいくこともあるだろうが、
逆に反発を受けたり、より他人事感が増していくケースが多いだろう。

そのための手立ての1案として、「自分で考え決めさせる」ことだ。
北風と太陽でいうと、太陽作戦だ。

 

例えば、スケジュール・WBSを例にとってみよう。
上から「この計画で進めるから」「わかんないことは質問して」とやっては他人事になる。
「やりたいこと・ゴールと期限はこう決まっているから。
 タスクを洗い出して計画をつくってくれない?」
「自分でやりきれると思う計画に仕立てて」と提示する。
自分で書かせ、それに基づき進捗も自分で報告させる。
人は他人から言われたことはどれだけ正当性・合理性が合ってもやらされ感を感じる。
まがりなりにも自分の頭を使い、自分の手を動かし、自分でつくったなら思いがこもる。
これをうまく促し自主性を高める。

 

「そうはいっても自分で考えるレベルにないよ」
「任せたらズタボロ、漏れがある計画になっちゃうよ」という心配もあるだろう。
それに対しては、でてきたものに対してフィードバックして精度を高めるか、
「一緒に考える」形式をとるといい。
「君に自分で計画を立ててほしい。
 とはいえ前提情報など伝えきれない部分があるから一緒に考えよう」
と一緒のホワイトボードを見て、付箋なりにタスクを出していく。
ここではあくまで上長は黒子だ。
発言が多いなら発言を付箋に書き留める役、
全くアイディア出ないならアイディアをいう役(書いて整理するのは任す)、など
相手が参画できる余地を残す。

 

そのように手取り足取りしていると初動は時間がかかってしまうだろう。
だが、のちのち自主的に動いてくれたり、
自分で遅れを見極め・挽回策を考えてくれるようになるなら
もとは十分取れるだろう。

設計・開発などでも、上流に時間をかけて下流の混乱・大変さを防ぐ。
それと同じことだ。

 

とはいえ頭でわかっても、なかなか実行に移すのは難しい。
下流の混乱・大変さはその時点で見れないから、
ついこれまでと同じやり方が楽でそちらに流れてしまう。

その思考を打破するためには、小さくても、お試しでも、
一度やってその効果を実感するしかない。