コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

議論を生産的にする付箋の効用

生産管理の課題洗い出しの打ち合わせに参加したことを想像して、次の2つを比べてみてほしい。
 
「もともと標準品を決めていたのだが、お客さんの要望に寄り添う方針でやっていたため、1日仕様ばかりが増えて、過去5年には1日ものの仕様を残すのかを議論したのだが
、結局残ることとなり今となっては品番が爆発して、それが部品表なり情報連携なりに波及していろんなところに悪さしている。
 新製品を出すことで賄えないか議論したこともあるのだけど結局うやむやになった。」
 
「1日仕様に対応しすぎ品番が膨大となり、情報管理が煩雑となった」
 
さて、どちらがわかりやすいだろうか?
 
当然後者なのだが、実際に人が語る言葉は前者のようにいろんな情報が混ざっていることが多い。
いろんな背景や経緯などを語ってもらう分にはいいのだが、そのまま課題としてまとめるには情報過多だし、何が課題か認識もしづらい。
「これが課題だよね」
といのが参加者全員で一致すれば、焦点が合って、原因分析や施策の討議に移りやす
い。
 
一言でまとめることはとても重要だが、訓練もしていないので早々にやろうと思ってもできない。
このときに活躍するのが付箋だ。

付箋はよくアイディア出しや課題の洗い出しに使われることが多い。
それは貼ったり取ったり入れ替えたりができるのと、もう1つ書く面が限られているというメリットもある。
1枚の付箋にかける情報量は限られているので、当然情報を絞る必要がある。
先に出した例の前者も、付箋に書こうと思うと情報量を絞るはずだ。
その際にファシリテーターがいるなら「これは付箋になんて書いたらいいでしょうか?」と問えばいい。
そうすると今まで語っていた人が勝手に要約してくれる。
 
合わせて付箋の色も分類付けするとより効果的だ。
例えば課題の洗い出しで言えば
 緑:情報伝達に絡む課題
 青:情報未整備の課題
 黄:システムのサポート不足の課題
 赤:業務フロー・ルールが未整備の課題
と付箋の色で課題の分類をしておく。
そして課題を付箋に書く際に、該当の色の付箋に書くようにする。
ファシリテーターは「これは何色の付箋に書けばいいでしょうか?」と問えばいい。
これにより発言を要約、かつ課題を分類し、その後の原因分析や施策討議に移りやすい。
 
付箋というアナログで、小さな工夫ではあるが、より議論すべき焦点を明確にし、打ち合わせの場を生産的にしてくれる。