コンサルタントの日々学び

日々のデリバリーで得た体験、ノウハウ、教訓とかを週次ベースで書き留めていきます。

コンサルはサービス業、相手の立場で考える

コンサルティングはサービス業である。
問題解決を生業としており、製品という目に見えるものを売っているわけではない。
サービス業は「サービスを提供する」ことが目的ではない。
サービス業=顧客がどう受け取るかが一番の肝だと思っている。
 
例えばカフェ。
「サービスを提供する」というだけで言えば、注文を受け付けて、コーヒーを提供すれば終わりだ。
だが、それではお客さんは満足して継続的に来てくれるとは限らない。
至高の一杯のコーヒーを提供し、めちゃくちゃうまいと感じてもらうか、
居心地高める雰囲気や接客を提供し、落ち着いて過ごせると感じてもらうか、
嗜好性や話題性を提供し、映えを感じてもらうか。
顧客にどう受け止めてもらうか、までがサービスの範囲になる。
 
コンサルも同じだ。
「答えを提供する」ことで終わるコンサルは価値が低い。
答えを提供し、それを腹落ちし、本気で推進してもらうところまでがサービスの範囲だ。
あくまで相手が問題解決に動いてもらうことがゴール。
コンサルの現場でよくある、細かなToDo管理やコミュニケーションもそこに通ずる。
受け手がどう感じるか、相手がそれで動いてくれるか、そこまで考えて実行しなければ意味がない。
「お客さんがこれで問題解決が図れるのか」
「これで解決に向けて動くのか」
相手に思考に立ってどれだけ考えられるかがコンサルの価値を高めることにつながる。
 
今、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか」という本を呼んでいるが、その中で過去問題を起こした国内新興ベンチャーは筋がなかったという話がある。
そもそも何をしたいのか、この世界をどう変えたいのかというミッションやパッションがなく、経済性重視で内部的規範がなく社会問題を発生させた。
コンサル業も下手をすると同じ轍を踏む。
「儲かるから顧客が問題を起こしたほうがいい」
「実行に至らなくてもそれで我々が支援に入る機会になるからいい」
という具体だ。
 
これを防ぐのが私は「相手に思考に立ってどれだけ考えられるか」だと思っている。
コンサルはいなくて済むならそれが顧客にとって一番いい。
できればそうなるように、計画・道筋を整えて、うまく進められるレールを引く。